何にお金を使っているか

お金の集め方と使い方は、市が何を大事だと考えているかの現れです。令和6年度(2024年度)普通会計で、歳入755.6億円・歳出713.4億円。人口99,694人で割ると1人あたり757,957円です。

他の市と決定的に違うのは、収益事業収入

大村市はボートレース場を持っています。その収益から一般会計に入る収益事業収入150.0億円は、収益事業収入のある全国151市の中で1位です。人口9万人台の市が、 大阪市・横浜市・名古屋市・福岡市を上回っています。

金額そのものより、市の規模との比が際立ちます。市税129.2億円を上回り(市税の116.1%)、歳入の19.85%を占めます。 1人あたり150,460円で、2位の下関市49,297円)の3.1です。

順位収益事業収入人口1人あたり市税との比
1大村市長崎県150.0億円99,694150,460116.1%
2下関市山口県120.0億円243,42249,29736.3%
3大阪市大阪府96.3億円2,778,9173,4651.2%
4丸亀市香川県95.0億円110,80385,73866.5%
5北九州市福岡県80.7億円913,5778,8324.5%
6福岡市福岡県80.0億円1,608,1404,9732.1%
7名古屋市愛知県77.4億円2,303,0043,3611.2%
8横浜市神奈川県76.8億円3,753,3982,0460.9%
9箕面市大阪府50.5億円139,52736,16519%
10神戸市兵庫県48.3億円1,493,5433,2331.5%
11札幌市北海道42.9億円1,955,6782,1961.2%
12常滑市愛知県42.0億円58,66271,59733.8%

総務省「市町村別決算状況調(都市別)」/大村市 決算概要・財政状況資料集令和6年度(2024年度)普通会計。上位12市を掲載しています。

これは最近のことです

平成29年度は6.0億円で、市税の5.3%にすぎませんでした。8年で25倍になり、市税を追い越しています。

-050100150平成29平成30令和元令和2令和3令和4令和5令和6市税収益事業収入
単位は億円。収益事業収入は諸収入の内訳として歳入に入ります。

候補に挙げたが、違ったもの

大村市には長崎空港と陸上自衛隊の駐屯地があります。歳入が他市と違う理由として 最初にこれらを疑いましたが、数字を見るといずれも違いました。 残しておきます。

国有提供施設等所在市町村助成交付金(基地交付金)1.49億円(全国50位)
陸上自衛隊の駐屯地があるため候補にしたが、8年間1.18〜1.49億でほぼ横ばい。1位の岩国市25.2億の17分の1で、歳入755.6億に対して0.2%。
特定防衛施設周辺整備調整交付金0円
交付されていない。
空港費0円
長崎空港は県営で、市の歳出には現れない。
特別交付税2.4億円(全国696位)
特殊事情への配分だが、むしろ少ない側。

歳入の内訳(令和6年度(2024年度)

歳入の内訳
科目決算額構成比1人あたり
市税(地方税)129.2億円17.1%129,615円
うち個人市民税45.7億円6.0%45,882円
うち法人市民税7.0億円0.9%7,070円
うち固定資産税56.8億円7.5%56,959円
地方譲与税3.1億円0.4%3,103円
地方消費税交付金23.7億円3.1%23,797円
地方特例交付金等5.8億円0.8%5,833円
地方交付税73.6億円9.7%73,856円
うち普通交付税71.2億円9.4%71,442円
うち特別交付税2.4億円0.3%2,414円
分担金及び負担金1.5億円0.2%1,535円
使用料4.8億円0.6%4,844円
手数料2.2億円0.3%2,234円
国庫支出金138.9億円18.4%139,287円
基地交付金(国有提供施設等)1.5億円0.2%1,498円
都道府県支出金52.4億円6.9%52,573円
財産収入0.8億円0.1%758円
寄附金10.5億円1.4%10,566円
うちふるさと納税10.3億円1.4%10,327円
繰入金82.2億円10.9%82,434円
繰越金22.8億円3.0%22,836円
諸収入168.0億円22.2%168,514円
うち収益事業収入(ボートレース)150.0億円19.9%150,460円
地方債30.8億円4.1%30,897円
歳入総額755.6億円100.0%757,957円

字下げした「うち〜」の行は上の項目の内訳で、合計には入りません。 収益事業収入は諸収入の内訳として入っています。 項目を足しても総額とわずかに合わないのは、個別に掲げていない小さな科目があるためです。

歳出の内訳(令和6年度(2024年度)

何に使ったか(目的別)と、どういう性質の支出か(性質別)は、同じ歳出を別の切り口で 見たものです。歳出総額は713.4億円で、性質別の内訳を足すと713.4億円と一致します。目的別は713.2億円で、0.2億円ぶん足りません(個別に掲げていない小さな費目があるため)。

目的別

歳出の内訳(目的別)
科目決算額構成比1人あたり
議会費2.9億円0.4%2,942円
総務費202.7億円28.4%203,335円
民生費250.2億円35.1%250,932円
衛生費42.9億円6.0%43,004円
農林水産業費13.3億円1.9%13,330円
商工費17.2億円2.4%17,244円
土木費50.3億円7.0%50,458円
消防費11.8億円1.7%11,864円
教育費78.4億円11.0%78,665円
災害復旧費4.7億円0.7%4,764円
公債費38.7億円5.4%38,854円

性質別

歳出の内訳(性質別)
科目決算額構成比1人あたり
人件費61.0億円8.6%61,223円
物件費61.2億円8.6%61,396円
維持補修費9.3億円1.3%9,285円
扶助費186.8億円26.2%187,420円
補助費等60.3億円8.4%60,475円
普通建設事業費88.7億円12.4%89,005円
災害復旧事業費4.7億円0.7%4,764円
公債費38.6億円5.4%38,766円
積立金159.3億円22.3%159,826円
貸付金8.4億円1.2%8,476円
繰出金34.8億円4.9%34,954円

お金はどこを通って何になるか

ボートレース事業会計の営業収益2,205.8億円 → 一般会計へ繰出150億円 → 総務費で基金に積立 → 基金残高471.5億円 → 普通建設事業費へ

基金残高471.5億円のうち、モーターボート競走事業収益基金288.2億円、市庁舎建設整備基金121.6億円

そのため、目的別では総務費が、性質別では積立金が、ほかの市に比べて大きく出ます。 歳出のうち積立金は159.3億円で、1人あたり159,826円です。

報道の「令和6年度の売上1,921.5億円・5年連続日本一」は決算書の舟券売上額と一致するが、営業収益2,205.8億円とは別の定義(他場受託発売248.5億円を含むかどうかの差)。混同しないこと。

それでも、日々の収支は楽ではない

経常収支比率99.4%は人口9〜11万の類似50市の平均93.1を大きく上回り、50市中2番目に高い。財政力指数0.63も平均を下回る。巨額の収入は日常の収支を緩めるのではなく、基金を経由して建設投資に回っている。

949698平成29平成30令和元令和2令和3令和4令和5令和6
経常収支比率(%)。人口9〜11万の類似50市の平均は93.1%。この比率が高いほど、決まった収入が決まった支出でふさがっていて、新しいことに回す余地が小さいことを意味します。

一般会計・特別会計・企業会計は別物。ここは普通会計(総務省が全市町村を同じ物差しで並べるために組み替えた区分)。当初予算ではなく決算。 人口の側は市全体に、出典と検算は出典とデータにあります。