市がこれからどうするか
大村市総合計画は、市が10年かけて何をするかを決めた文書です。第6次総合計画 前期基本計画(2026〜2031年度)は6つの基本目標・16政策・46施策からなり、142の成果指標に目標値が置かれています。 人口をどう見ているかも、ここに書かれています。
前の計画は、147指標のうち94が目標に届きませんでした
第5次総合計画 後期基本計画(実績のある最後の計画)の令和6年度の達成率です。達成率が取れた147指標のうち94指標(63.9%)が100%未満でした。計画は目標を掲げる文書なので未達があるのは当然ですが、どこが届かなかったかには市の置かれた状況が出ます。
届かなかったもの(下位12)
| 達成率 | 指標 | 目標 | 実績 | 単位 |
|---|---|---|---|---|
| 1.7% | 市内民泊施設の延べ宿泊者数 | 592 | 10 | 人/年 |
| 2.9% | 新たな企業誘致による雇用創出者数 | 800 | 23 | 人 |
| 17.8% | そらえきおおむらの販売品数 | 3,750 | 666 | 品/年 |
| 21.8% | 外国人宿泊者数 | 7,871 | 1,716 | 人/年 |
| 31.8% | 子育て相談件数 | 10,000 | 3,183 | 件/年 |
| 35.3% | 食育に関するボランティア等の人数 | 380 | 134 | 人 |
| 41% | 子ども会加入率 | 20 | 8.2 | % |
| 42.3% | 有害鳥獣による農業被害額 | 3,800 | 8,994 | 千円/年 |
| 42.4% | 大村市婚活サポートセンターでの相談件数 | 800 | 339 | 件/年 |
| 44.9% | 新大村駅の乗車人員数 | 2,100 | 943 | 人/日 |
| 47% | 男女が平等な社会と感じる人の割合 | 56 | 26.3 | % |
| 47.6% | 水道管路の年間更新率 | 0.84 | 0.4 | % |
大きく超えたもの
| 達成率 | 指標 | 目標 | 実績 | 単位 |
|---|---|---|---|---|
| 264.5% | 市公式SNSの登録件数 | 17,000 | 44,971 | 件 |
| 227% | 電子申請件数 | 116,000 | 263,325 | 件/年 |
| 215.2% | 芸術・文化事業への参加者数 | 13,700 | 29,479 | 人/年 |
| 183.1% | 大村市教育・保育力向上研修会参加者数 | 396 | 725 | 人/年 |
| 167.7% | 人権教育・啓発のための講演会及び研修会の参加者数 | 2,000 | 3,353 | 人/年 |
達成率は市の公表値をそのまま使っている。多くの指標では向きが揃っており(増やす指標は実績÷目標、減らす指標は目標÷実績)、100%未満が未達を意味する。ただし下記のとおり向きが取り違えられている指標があり、その分は未達に数えられていない。令和7年度の実績は評価時点で未了のため全て空欄。
達成率の向きが取り違えられている指標が1件あります
減らすことが目標の指標は、市も多くは「目標÷実績」で計算しています(有害鳥獣による 農業被害額など)。ところが次の指標だけは増やす指標と同じ式で計算されており、悪化しているのに達成率が100%を超えています。
- メタボリックシンドローム該当者・予備軍の割合
基準値26.9 → 目標20 に対して実績29.6。公表の達成率148%、正しい向きなら67.6%で未達です。
このぶんを未達に数え直すと、未達は94指標ではなく95指標になります。ここでは市の公表値をそのまま表に載せ、 数え直しはしていません。
新幹線の駅は、人は集めたが客は集めていない
未達の中に「新大村駅の乗車人員数」達成率44.9%(目標2,100人/日に対して実績943)があります。 一方で増減の中身で見たとおり、その駅前には分譲マンション191戸が建ち、 植松3丁目の人口は1か月で272人増えました。
駅は「住む場所」としては効き、「乗る場所」としては目標の半分以下です。同じ施設を人口の側から見るか利用の側から見るかで、評価が逆になります。
計画が置いた目標人口は、人口ビジョンと違う
第6次総合計画 p.5「2050年のありたいまちの姿」に置かれた目標人口。すでに取得している人口ビジョンのケースウ(2025年 100,109人)とは一致しない。第6次は社人研の令和5(2023)年推計を土台に引き直したもので、根拠が違う。
| 2025年の値 | 人数 |
|---|---|
| 目標人口(住民基本台帳ベース) | 99,511人 |
| 目標人口(国勢調査ベース) | 97,959人 |
| 社人研 令和5年推計 | 95,852人 |
| 人口ビジョン ケースウ(施策を織り込んだ推計) | 100,109人 |
2050年までの節目
- 2035年頃 — 「人口10万人規模をキープ、引き続きまちの活力を維持」
- 2040年頃 — 「人口減少に転じるが、今と変わらないにぎわい」
- 2050年 — 「人口9万人程度を維持しつつ、今よりもっと暮らしやすいまち」
同じ p.5 の中で、本文は「本市の人口は、2030年頃を境に減少に転じることが予測されています」と書き、図の注記は「2040年頃 人口減少に転じるが」と書いている。本文は社人研推計、図は目標人口の線を指していると読めるが、計画はそう明示していない。
実測がどうなっているかはなぜ増えているのかにあります。住民基本台帳人口はすでにピークを過ぎており、2050年の見通しは社人研の推計で85,005人です。
目標を下げた指標が1つだけあります
142の指標のうち、目標値が基準値より悪い側に置かれているのは1つです。政策2-1の「メタボリックシンドローム該当者・予備群の割合」で、 基準値R6 29.6%に対して目標値R12 37.4%。
悪化を織り込んだ目標。第5次では同じ指標の令和7年度目標が20.0%だった。目標値が基準値より悪い側に置かれている指標は、142件のうちこれだけ。
何を柱にしているか
第6次総合計画 前期基本計画(2026〜2031年度)の基本目標は6つです。
1. 人を育むまちづくり
1-1 子育てしやすいまちづくり/1-2 豊かな学力と生きる力を育む教育の充実/1-3 人生を豊かに彩る体験や学びの提供
2. 健康でいきいきと暮らせるまちづくり
2-1 健康づくりの推進と医療体制の充実/2-2 誰にとっても暮らしやすいまちづくり
3. 安全・安心なまちづくり
3-1 災害に強いまちづくり/3-2 安心して日々を過ごせるまちづくり
4. 活力に満ちた産業のまちづくり
4-1 魅力ある農林水産業の振興/4-2 活力ある商工業の振興/4-3 歴史や自然を活かした観光のまちづくり
5. 機能的で環境と調和したまちづくり
5-1 大村市らしい、暮らしやすいまちづくり/5-2 快適で暮らしやすい都市環境の整備/5-3 環境にやさしいまちづくり
6. 市民協働の推進と持続可能なまちづくり
6-1 地域コミュニティの活性化とみんなで取り組むまちづくり/6-2 お互いを尊重し、誰もが活躍できる社会づくり/6-3 効率的で健全な行財政運営の推進
第6次は令和8年度に始まったばかりで実績値がまだ無い(進捗評価が未実施)。実績が付いているのは第5次のKPIだけ。第6次の目標値は計画本文がPDFの画像で、OCRで読み取ったうえで全ページを頁画像と突き合わせて確かめている。 第6次の総合戦略KPIは59指標です。出典と検算は出典とデータ、お金の側は何にお金を使っているかにあります。